幼児教室の母子分離の効果とは?
更新日:2024/03/15
子どもにとって自立の第一歩である母子分離。幼児教室を通して、子どもを母親から離れた環境に慣れさせようと考えている方は多いかと思います。
母子分離は、子どもの成長過程において重要な経験です。とはいえ「母子分離ってどんな効果があるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では母子分離の効果をはじめ、幼児教室で行う母子分離の方法なども解説します。
目次
そもそも幼児教育とは
幼児教育とは、乳児期を過ぎた2歳頃から小学校入学前の子どもを対象に行われる教育のこと。
「教育」と聞くと、机に向かって勉強することを連想する方が多いかもしれませんが、幼児教育は机での学習のほか、家庭や地域社会における日常生活を通した経験も含まれています。
幼児期は大脳神経系のおよそ8割が完成するといわれており、言語能力・身体能力ともに著しく発達する時期です。
幼児教育は生涯にわたる人格形成や能力のベースを作り上げることを目的としているため、子どもの人生を左右することも。
好奇心旺盛で脳が柔軟なこの時期に、子どもの得意分野を見つけ、可能性を広げてあげることにつながります。
母子分離とは
母子分離とは、子どもが母親から離れても不安にならなくなる状態のことです。
子どもにとって母親は一番頼りになる存在であり、誕生してしばらくは親に依存した生活を送ります。ところが子どもが成長し、さまざまなものに興味を抱くようになると、母親から離れても不安を感じなくなります。
母子分離は、子どもがスムーズに仲間集団へ参加するために重要な発達課題です。
※出典:愛着と気質が母子分離に及ぼす影響
参考URL :https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep1953/51/1/51_96/_pdf
母子分離の効果
母子分離は子どもが母親から離れることで、自立心を養う効果があります。
また幼児教室の先生や他の子どもたちとコミュニケーションを取ることで、社会性・協調性を身に付けられる効果も期待されています。母子分離が与える効果は、子ども側だけではありません。
- イヤイヤ期の子どもと少し離れて気分転換ができる
- 過剰に心配して子どもから離れられない依存心を減らせる
上記のように、母子分離によって母親側が受けられる効果もあります。もっとも手がかかる時期に、少しでも1人の時間が作れたらリフレッシュになるでしょう。
※出典:親子分離不安と関係性の発展
参考URL :https://www.kasei-gakuin.ac.jp/wp-tkg-u/wp-content/uploads/2019/03/56-19.pdf
母子分離はいつから
幼児教室での母子分離は、2歳頃から始めるのが良いといわれています。
子どもは生後半年ほどすると、母親の後追いをしたり人見知りをしたりします。母親から離れることに不安を抱くことを「母子分離不安」といい、どの子どもにも見られる現象です。
母子分離不安は生後10~18カ月頃がもっとも現れる傾向があり、ほとんどの場合は2~3歳頃になると自然となくなります。そのため母子分離不安がなくなる2歳頃から始めるご家庭が多いです。
とはいえ2~3歳の子どもを幼児教室に通わせたからといって、スムーズに母子分離ができるわけではありません。
- 日によって母子分離ができないときがある
- 始めはまったくできなかったけど、少しずつ離れられるようになった
上記のように、子どもの性格によって母子分離の過程は異なります。継続して母子分離ができる子どもの方が少ないことを頭に入れておきましょう。
※出典:分離不安症
参考URL :MSDマニュアル家庭版 分離不安症
幼児教室で母子分離する方法は
幼児教室で行う母子分離の方法は、以下3つのステップがあります。
- 幼児教室側がどのように母子分離を考えているか確認する
- 幼児教室の体験会には母親と一緒に参加する
- 子どもが慣れてきたら母子分離をする
母子分離を始める前に、幼児教室の運営側が母子分離に対してどのように考えているか確認しましょう。
ほとんどの場合は、どの年齢の子どもが母子分離に挑戦しても、母子ともに負担がないようサポートしてくれます。ただ中には、1~2歳の頃から行うところや、3歳以降でも無理に行わないと考えるところもあります。
2歳頃から始めるのが最適でしょう。しかし、家庭の教育方針と考え方が異なるのであれば、検討することが必要です。
次に幼児教室の体験会には、母親と一緒に参加することです。幼児教室の中には、実際に子どもが授業に参加できる体験会を実施しているところがあります。体験会では不安になる子どもが多いため、一緒に参加して様子を見ましょう。
子どもに「幼児教室は楽しい場所」と思ってもらえれば、自然と母子分離がしやすくなります。
最後は、子どもが体験授業で慣れてきたら母子分離をすることです。子どもがクラスに馴染んでいたら、先生と相談をして母子分離に挑戦しましょう。
母子分離で重要なのは、少しずつ子どもから離れること。いきなり母親がいなくなると子どもは不安を抱くため、あらかじめ「今日は外から見ているね」と伝えておくと良いでしょう。近くで見ていることが認識できていれば、子どもの不安は減ります。母親が離れたときに泣き出した場合は、母子分離を行う時期を変えてみてください。
幼児教室で母子分離する場合の注意点
幼児教室で母子分離をする際は、以下2つに注意しましょう。
- 他の子どもと比較しないこと
- 子どもが慣れるまでは母親が1人で連れていくこと
1つ目は、他の子どもと比較しないことです。先に母子分離ができた子を見ると、母親自身が不安になって自分の子どもを責めてしまうこともあるでしょう。
子どもの成長スピードは1人ひとり違うため、スムーズに母子分離ができなくても焦る必要はありません。クラスの雰囲気に慣れて授業が楽しいと感じるようになれば、自然と母子分離ができる場合が多いです。
2つ目は、子どもが母子分離に慣れるまでは母親1人で幼児教室まで連れていくことです。父親や祖父母など付き添いがいると、親が離れたときに子どもが泣き出すケースが多いです。
付き添いが多い状態で離れると、子どもは「1人にされた」という気持ちが強くなるため、最初は母親1人で連れていきましょう。
※出典:子どもの成長・発達
参考URL :https://www.fgs.or.jp/pdf/11_booklet/305_booklet.pdf
まとめ
幼児教室で母子分離を行うことは、子どもの自立心を養ったり、社会性・協調性を身に付けたりできる効果があります。
成長過程において重要な母子分離ですが、いきなり母親から離れると不安になる子どもが多いです。すぐに母子分離をするのは難しいため、無理をせず子どもとコミュニケーションを取りながら少しずつ挑戦しましょう。
幼児教室での授業が楽しいと感じるようになれば、自然と母子分離ができるようになるので、焦らずに行うことが大切です。
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